ソフトクリームといえば、王道ミルク味に、チョコレートや珈琲など定番フレーバーの他、御当地の名産品を使ったものなど味わいのバリエーションが豊富。中にはなかなか他ではお目にかかれない、珍しいフレーバーを提供しているお店も。
意外と少ない、アルコホルを使ったソフトクリーム
リキュールを使った洋菓子は多く見かけるのに、アルコホルを使ったソフトクリーム(或いはアイスクリーム)というのはそれほど多くない。材料にアルコホルを使うと、溶け易くなる為だろうか。
ウヰスキー

東京銀座四丁目から程近い場所にある【銀座NAGANO】のすずらんソフトクリームは、トッピングの種類が豊富。中でもウヰスキーはお勧め。ベイリーズアイリッシュクリームを代表とするリキュール類で証明済みの通り、乳製品とウヰスキーの相性の良さは言わずもがな。濃厚なのにさっぱり後味のソフトに、複雑な樽香がよく合う。
テキーラ

何となく硬派なイメージのあるテキーラを、ソフトクリームと合わせてしまったのが福岡拠点の【DAIMYO SOFTCREAM(大名ソフトクリーム)】。こちらも濃厚まったり系のミルクソフトの上から、テキーラをどぼどぼ注ぐアフォガード方式。お子さん、アルコホルに弱い向きにはお勧めできないけれど、この意外な組み合わせは相性良し。
バーボン
ソフトクリーム・アイスクリームの名産地、中標津の【養老牛山本牧場】さん。2025年横浜髙島屋の催事で見かけたのは、バーボン+メイプルのトッピング。甘さ控えめ、牛乳の旨みは濃いのにあっさり後口のソフトクリームに、甘い芳香を添えた一品。個人的に物凄く好み。
ブランデーとリキュール
東京大手町のオフィス街にある【CACAO SAMPAKA(カカオサンパカ)】のジャラッツブランコカクテルは、発売時「二十歳以上限定販売」の文字が目を惹いた。本拠地スペインのチョコレート専門店が作るアルコホルソフトクリームは、ホワイトチョコレートとベイリーズアイリッシュクリームにブランデーを組み合わせた大人の味。紳士淑女の皆様、おひとついかが。
ラム

千駄ヶ谷の【LATIER(レティエ)】で食べられるのは、ラムレーズンソフトクリーム。3種の干し葡萄とお酒を使って作られたソフトクリームは、ラム酒の尖ったアルコホル感を牛乳がまろやかに包み込んだような趣で非常に美味。干し葡萄の柔らかな酸味と触感もいい。
日本らしいソフトクリーム
お煎餅
草加煎餅専門店【山香】の東京銀座店では、ストレートにお煎餅味のソフトクリームを販売。普通の牛乳系ソフトクリームに草加煎餅が刺さっているだけでは…と想像していたのだけれど、何とソフトクリームそのものがお煎餅味! この本気度の高さよ。この場合のお煎餅≒お醤油味、なのでソフトクリームと化したお煎餅はみたらし味、といったところ。そこはかとない香ばしさみたいなものも確かに感じられて、そのあたりにお煎餅らしさが滲み出ている。ついでにお煎餅トッピングすると、締めの塩味としてなおいいのではないかしらん。
酒粕とみりん
石川県金沢の造り酒屋【福光屋】の東京丸の内店では、酒粕とみりんを使った和素材ソフトクリームを販売。酒粕と乳製品の組み合わせは、どこかチーズを思わせるまったりとした香り。キャラメリゼした味醂の香ばしさも新鮮。
牛乳以外の動物性ミルクで作られたソフトクリーム
ヤギミルクのソフトクリーム
鹿児島【それいゆふぁ~む】では、ヤギミルク(山羊乳)を使ったソフトクリームを販売。独特の匂いやくせが云々されることの多い山羊だけれど、こちらのソフトクリームは全く臭みなし。正直なところ、普通の牛乳ソフトとの違いを感じることができないほどに。コクはありつつも、後味さっぱりの美味しいソフトクリーム。催事等で見かけた際はお勧めしたい。
健康志向の表れ? 豆乳ソフトクリーム
健康的なイメージのある【豆乳】を使ったソフトクリームも、ちらほらとお目見え。豆乳を感じさせないものから、あの独特のお豆臭を満喫できるものまで、多彩な味わいが楽しめる。
おいしい豆乳ソフト
個人的な好みで言えば、おいしい豆乳ソフトクリームという括りで真っ先に思い浮かぶのは【水カフェどうし】の豆乳ソフトクリーム。さっくりとした口当たりで、後口はあっさり。豆乳のあのお豆臭さが全くなく、豆乳であるということを忘れるくらい。
ただ逆に言うと「あのお豆臭あってこその豆乳でしょうが」という、無調整豆乳愛好家さんには物足りなく感じるかも。
豆乳好きさんのための、無調整豆乳風ソフトクリーム

【mr.bean】の豆乳ソフトは、無調整豆乳風の味わい。青々としたお豆の風味がしっかり感じられるので、豆乳独特のあの香りがお好きな方にお勧めしたい。シャリ感のある舌ざわりは、氷菓に近い雰囲気。

台北にある【其實豆製所】の豆乳霜淇淋は、【mr.bean】とは真逆のまったりなめらか豆乳ソフトクリーム。ソフトクリームにしては甘さがかなり絞られており、まるで冷たいお豆腐を食べているのかのような錯覚が味わえる(代わりに冷奴を食べてもいいような気がする)。