学生時代、東洋経済新報社という経済系出版社でアルバイトをしていた。その頃、休み時間に足繁く通っていたのが建て替え前の【千疋屋】。高級果物屋さんとして有名な千疋屋だけれど、1階ではお手軽に食べられるソフトクリームを販売していた。看板はフルーツのソフトクリーム。2週間に1回位の高速回転でフレーバーの入れ替えがあったように記憶している。そんな千疋屋のフルーツソフト、建て替え後の現在も食べられる。しかも千疋屋にして380円で。 そう、マスクメロンのソルベを13000円で販売しているすぐ隣で、フルーツのソフトは380円なのだ。
なめらか濃厚系、栗ソフトとしてはあまりに普通
千疋屋のフルーツソフトクリーム、現在は併設のお気軽カフェ【Caffé di FESTA(カフェ・ディ・フェスタ)】で提供している。季節限定のフルーツと牛乳味の2本柱展開で、ミックスも頼める。久し振りに訪れたこの日、フルーツソフトは栗。栗×牛乳のミックスソフト(380円)をお願いした。
食感はなめらか、もったりした濃厚な味わい。肝心の栗ソフトは、千疋屋の看板を感じさせない平板さ。何となく栗っぽくはあるのだけれど、どこか人工装飾的な栗といった風味でしかない。不味いという訳ではないけれど、千疋屋の名前から当然期待される及第点には届いていないといった感じ。値段の差はこういうところに現れるのか。残念。寧ろ千疋屋らしく、突き抜けて高級路線のフルーツソフトを作った方がいいのではないかしらん。ただ昔と比べ、店員さんの接客応対は各段に良くなったと思う。
考えてみると、これまで本当に美味しいと思った栗のソフトクリームはただ1つしかない。青森県三内丸山遺跡内のミュージアムショップで販売している【ソフト栗夢】がそれ。ミュージアムショップ内のソフトクリームと侮る勿れ、これは本当に美味しい。お近くを訪れる際は、是非御賞味あれ。